森野さん争奪戦で森野さんが私に「ありがとう」と言った時の前の話。



「森野さんを1人には絶対しやんから」



口に出す前から、私は森野さんを1人にするつもりなんか、端からない。







慣れない新人、甘える新人。



そもそも森野さんの争奪戦なんてしてる場合でもなければ、そんな状況ですらない。



事務所は事務所で機能していないし、だったら私達からアクションを起こさなければならないのに‥私達にはそれが出来ていなかった。



「森野さん、毎日どっかには走ってんねんで!??

優花ちゃんに連絡‥‥

えぇ!?行ってない事ないやろ!??(゚Д゚;)」



いやいやいやいや。



驚いてるのはこっちだよ!!(゚д゚)



私「知らんなー。そんな話。

ガチで。」



森野さんはいつでも森野さんで



「優花さんは大丈夫??」



そう言ってくれていた。



何でそんなに心配してるんだろう‥‥??

とは思っていたけど



だからかーーーーーい!!



当然私はブチ切れて、全員集めて最終的に森野さんに頭を下げさせたんだけど



(ノ∀`)タハー



後に森野さんはサラリと言った。



「お陰様で最近は精神的にかなり楽だよ♪」



と。



うん。



多分森野さんも意識してないんだろうけど



言えばきっと「そんな事言ったっけ?」って言うんだろうし、本人も覚えていないような一言。



だけど、分かる。



本当に、精神的に辛かったよね(´・ω・`)



私の場合はまだ良かった。



私は何も知らなかったから。



「出来て当たり前」

「私以外ならきっとこなせる」



そう思っていたから。



だけど森野さんの場合は違う。



森野さんは+αで売り上げを上げて来た人だ。



時間も読めれば売り上げの上げ方も知ってる。



「森野さんなら人に振らなくても出来る以上に出来る事」の仕事を、私の知らないところで人に振られても黙ってこなしていてくれていた。



私は“知らなかった”では済まされない。



望むのは「頑張って!!」と言う言葉じゃない。



「一緒に頑張ろう!」と言う姿勢でもない。



「自分も大変」と言う舐めあいでもない。



本当に望むのは



ガチで一緒に頑張ってくれる姿



でしかない。



その日から、
私と他の男3人との喧嘩は毎日になった。



私「あの3人は私に言うたら怒られると思って私には黙ってるから。

どんな些細な事でも私に逐一連絡入れて。

誰からの連絡とかは絶対一切口に出さんし、私が聞いたから答えてくれたって何においても言うから」



誰だって責任を負うのは嫌だろう。



そして、自分の判断が間違っていると言われるのは嫌だろう。



だけど私は否定する。



そして、言う。



私「予定組んでんの誰やねん!??

勝手に組み替えるんなら最後まできっちりケツ持てよ!??



お前等が勝手にした事に対して今後一切、私は頭も下げんしケツも持たん!!

知らぬ存ぜぬ決め込むから、それでもいいなら好きにやれや!!!!」



私はただひたすらに森野さんを出さない前提で、それでも遅れる事がないように予定を立ててる。



森野さんを出してしまうのであれば私が取ってる件数も、こなす為に使う高速料金も何もかもが無駄になる。



森野さんの為じゃない。



専務の為でもない。



会社の為だ。



そして、会社にとって森野さんは必要な人材だからだ。



私、優花は知っている。



虐めレベルを乗り越えた人間だけが、この会社では成り上がる。



だけど私は一人だけが苛めレベルなのは放っておけない。

黙ってられない。



だから森野さんのサポートをする。



だけど

「森野さんばっかり!!」

と言われる事も仕方が無くて



私「アイツら本間、先輩のクセにダサい極まりないねん!!!!」



そう言って私の愚痴を聞いてくれた。



これから先、私は誰にも理解を求める事が出来ないまま



ただただう打ち寄せる波に逆らう事に全力を注ぐ事になるんだろう。



だけど、仕方が無い。



専務は専務で決めた事。



私は私で決めた事。



うん。



やるしかないよな(´・ω・`)