専務がいなくなる事に覚悟は決めた。
今日は専務の最後の日。
華々しく、送り出そう。
私は一睡も出来なかった。
専務が辞める事に対して、私も森野さんも何も触れなかった。
「私は専務が辞めるのは嫌やけど、専務を泣かせたい訳でも困らせたい訳でもない」
専務が辞める日の前日、私と森野さんが煙草を吸ってる時に専務がコーヒーを奢りに来てくれて
私「専務、会社辞めたら少しは休むん?
ずっと休んでなかったしょ?」
「急に休むとボケちゃうんじゃないの?w」
「まだ考えてないけど、森野さん余計なお世話やし!!!!」
下らない話しかしていなくて
私「マジ私、振られるとか有り得へんわぁ(´・ω・`)
これ、一生トラウマになるよ!??w」
「何言うてんのww
人は振られて強くなるものですよ♥」
「優花さんは落ち込む位がいいんじゃねぇの?ww」
私「2人とも私を何やって思ってんのんな!!(# ゚Д゚)
ま、私は強いけどな――――!!ww」
専務は
「優花ちゃんなら大丈夫」
と笑っていた。
メガネ君は専務が辞めるとなった日から、専務を避けた。
「顔見たらこっちまで泣いてしまいそうになるから」と。
Aは専務に何も言わなかった。
「何て言っていいか分からん」と。
白髪さんは黙ってた。
「専務が決めた事やったら仕方がない事やからね」と。
私は“専務が決めた事”に対して何もしないみんなが嫌だった。
今回専務が潰れた事の原因は、全て私達にあるのに。
だけど私は森野さんを一人にはしないと決めた。
どんなにやってられないと思おうが、どんなにムカついて「辞めたい!!」と思おうが。
‥‥結局私はどこかで誰かに頼らなきゃ生きて行けない。
それがどんな形であっても。
きっとみんな、泣くんだろうな。
専務も含めてw
私は意地でも泣くものか。
準備をしていると朝から珍しく電話が鳴って、相手は通か
もしくは急遽急ぎの注文でも入ったとかの電話だろうと思って画面を見ると専務からで
「ごめん、準備中やんな?」
私「うん?大丈夫。
どうしたの?
辞めたくなくなった??」
まさか、転機か!??(๑•̀ㅂ•́)و✧
「いや、ないしwww」
うん。
ですよねー┐(´д`)┌
専務は「あかん、キャッチや!!またかける!!」と言って電話を切ったんだけど
「社長と話して辞めるって決まったんやけど、社長は“辞めんでもいいやろ”って急に言い出したんやんか」
と。
私「じゃあ辞めんで良くない?
あの社長が止めたんやん!!
それ、社長に出来る精一杯やんか!!」
「そうなんかも知らんけど‥」
そこで話は終わった。
社長は止めた。
専務を社長の出来る限りの言葉で止めようとした。
社長はすごく不器用な人で、通とよく似てるから私には分かる。
辞める事を承諾したのは、後々専務が「やっぱり辞めたくない」と言って来ると思っていたから。
社長は動いた。
私「森野さん!!私やっぱり諦めへん!!!!
最後まで足掻くわ!!」
もうすでに業務に就いているであろう森野さんからの返信は早かった。
「どうしたの?」
私「社長が昨日、専務を止めた!!
今すぐ会社行くわ!!」
専務が私に電話をして来たのは真逆だったんだけど、私は優花。
そんな事にも気が付かないまま
素敵に無敵に勘違いをしたまま私、優花は突っ走るwww
m9(^Д^)プギャー