Aは気が付けばいつでも私の側にいた。



私の言う事が何度言っても、どう伝えても伝わらない。



社長や上司は



「それでも何回でも言い続けるんや。

俺は優花の言う事が間違えてるとは思ってないから気にすんな」



とは言ってはくれても

「私の言う事ってそこまで的外れか?(´;ω;`)」

とも思ってしまう。



そんな時でもAだけは

「俺も社長と同じ意見やし、優花ちゃんが間違えてるとは思わんよ」

そう言い続けてくれていた(・∀・)






当時は会話が成り立たなかったAも時が経てば



「仕事は仕事。

社員は社員として然るべき」



とも言えるようにもなっていて



「あの頃は周りの環境が悪かったんだな(´・ω・)」

と思っていた。



私、優花は頑張ろうと思うのであればどこまでも応援したくなるので

(ノ∀‘){単純なのーww



Aは社長や私と同じように、会社の中心に立ってみんなをまとめるのは正社員で男性が立つべきだと言う考えを持っていて

そしてそこに立てる男は会社の中では自分だけだとも言っていた。



「メガネさんも白髪さんも外に出たら帰ってけぇへんし。

そんな人達に会社をまとめられるとは思われへん。」



そう言って他の人をアテにしないで、人に任せられないのであれば自分がする。

そのスタンスは私は嫌いではないどころか



寧ろ大好きww(*´д`*)アハァ



頑張ろうと決めたのであれば私、優花はどこまでも応援する。

頑張ろうと決めた本人が諦めない限りは私も諦める事はない。



だけと人の上に立つと言う事は



自分は人並み以上の努力をしなければならないし

決断力や判断力は必要不可欠だし

何よりも全ては自分が責任を負う位の覚悟がいる。




そして

全てを上回るだけの知識と魅力。



力技でゴリ押しする事も可能だけど

結局それでも人並み以上の経験は積んでいないと何一つ通らない。



それに「まとめる」となれば、理解も示さないといけないし守るべきところでは守らなければならない。

私、優花にはこれが出来ないのよ(´・ω・)(・ω・`)ネー




だけど恋愛経験もなければ社会経験も皆無に近く、今の会社が初めてに近い経験で



実家を出た経験も無いに等しいAには友達と呼べる人間は少なく、休みの日はほぼ寝るかパチンコに行くかで休日を過ごす。



ゴルフも釣りも、年上の人達が好む“接待”と呼ぶようなスポーツ経験もなければ、お酒も飲まない。




そんなAが会社の中心に立って人をまとめると言うのは、正直人の何倍も道は険しいと思った。



それでも

私「ガチで言うてんの?覚悟あるん?」



そう聞くと



「誰かがやらなあかんねんから。

それなら俺がやる。

優花ちゃんに甘えてる場合じゃない。

俺には出来るから」



そう言うAを止める理由もなければ応援しない理由もない。



幸い私は社長と考え方が同じだったし、私には今の考え方のままでも応援してくれる「上の人間」がいる。

ならば。



この日から私はAに仕事についての考え方や

コミュニケーションを取るのが苦手なAにお客さんとの距離の取り方

私の持つ知識と経験、仕事の全てを叩き込んだ。





全てはAが「知らないから出来ない」のだと

ただただ信じて疑わなかったから。