Aはチャンスを自ら逃した



だけ



では済まなかった(・∀・)




社長が一つの場所に3日以上留まるのは本当に珍しい事で



福岡を二週間後に後にした社長は日本全国を飛び回り、私が社長と顔を合わせたのは森野さんが福岡へと旅立ってから1ヶ月が経ってからだった。



私「森野さん福岡で上手い事やってますん?」



例の如く喫煙所。



「おう、やってるよ。

森野は付き合いがいいから覚えが早いわ。

アイツに行かせて正解やったわ(笑)」



森野さんは余計な事は話さないけど、言われた言葉の意味に対して的確に答える事が出来る。



それも全て前向きな思考で。



そう言う人は上の人間に何かと可愛がられやすく、森野さんは例外なくしてそこにハマったらしい。



「俺が教えへんでも得意先の社長達が喜んで教えよるからな。

Aじゃこうは行かんかったやろ」



私「Aは飲まないですからね。

で、何でAは福岡行かんかったんですか?」



え?(・∀・)




気になるじゃんかww

(ノ∀`)タハー




「おぉ、アイツ大阪で何をしとんや?

“行くのはいいけど自信がないんです”とか言いよったぞ。



アイツやりますって自分で言うたんちゃうんか。

本間……何をしとんのや」



そう言って社長は溜息混じりに煙を吐いた。



‥‥今の言葉、マジですか?(゚д゚)



うん。



アイツ、社長相手にマイナス発言でアピールしやがったww



私「アイツ、アホですやん(゚д゚;)」



「アイツ病んでるんちゃうか?

自信がないって言うてた後に電車の回数券買ったばっかりやとか言うてたぞw

まぁ俺はもうええとAに対しては思ったわ」



Aよ……。




てめぇ電車なんか殆ど乗らねぇだろ!!



アイツ本気で何をしていて、一体何がしたいんだ?



せっかく「します・やります・出来ます」と公言した事で、以前は完全に失った社長の信用を取り戻すチャンスを与えてもらったと言うのに。




Aは結局数年前と何一つ変わっていない。



性格も考え方も持っている知識の何もかもが

入社して1年と経っていなかったあの頃のままだ。



マイナスの思考や“頑張っているんですアピール”は、やってきた人間には一切通用しない。



「大丈夫?あなたは頑張ってるよ!!」



そんな言葉をかけてくれるのは優しい訳でも理解がある訳でもない。



自信が無ければ付ければいいし

自信がつくまで動けばいい。



そしてAは以前に「自信が持てない」と言うメガネ君に対しても、同じ事を言っていた。



うん。




人の事言っといててめぇはどうなんだ!?(゚д゚)




「もうAには無理なんだ」



そう諦めて今までのようにAのサポートに回れば良かったのだろうけど

今まで散々私がメガネ君や白髪さんにキレる度に



「メガネ君はああだから」

「白髪さんはこうだから」



と言い続け、いざ自分が行うとなれば



“でもけどだって”で。



出来るようになろうともしなければ、理解だけを求めるAに社長が愛想を尽かしたように




私もAに愛想を尽かすまでに、これ以上の理由は最早必要無かった。