Aはお酒が全く飲めませんwww





「お疲れ様でーす♪」

そう言って乾杯する中でAだけはお茶。



「Aが来るなんか珍しいやんけ。遂にお前もやる気になったか?

森野にでも触発されたか??ww」



社長はそう冗談混じりに言って笑っていたけど、これは社長の本心でもあっただろうし

それと同時にA自身もかなり焦っていたんだと思う。



「優花さんって結構飲むんですか?」



私「嗜む程度ッス。女子やしへなちょこですよ、私」



「お前それは何の嘘やねん!!

騙されるなよ、森野。コイツ舐めてたらそこらの男より飲みよるからなぁ」



「社長がそう言うんだから怖いですねぇ」



そんな他愛もない話でお酒を進めては、話は当然仕事の事に流れる。



「優花から見て森野はどうや??」



私「相当良いと思いますよ。

仕事覚えるんも早いし、売り上げも上げてくるし。

持ってるお客さんの連絡先、他の人等抜いてるんちゃいますかね??」



「いや、僕なんてまだまだですよ。

早く優花さん位上げれるようになりたいなぁ」



社長はこう言う前向きな姿勢を持つ人はどこまでも応援する人で



「優花、お前明日から1週間森野連れて回れ」



私「1週間ッスか?社長、異例の長さですねww」



「わぁ、いいんですか?

優花さん、明日からお願いしますね♪」



と、話は森野さんを育てる事が主体の話になっていて

Aは全く話に入る事も出来ずにいた。



きっと今までの私ならAに気を使って社長と会話が出来るように話を持っていったりしてたんだろうけど‥。

正直いくら言っても成長はなく、ただ



「ごめんなさい」

「すみませんでした」

「以後気を付けます」



と、何を言ってもAがするのは“謝り方”を変える事だけで

どうすれば出来るようになるのか?

ではなく

どう言えば私の機嫌が治まるのか?

で顔色を伺っているAに、私は遠い昔にいたTと言う男を重ねていた。



話に入りたければ入れるようになればいい。



私は何度となく



「飲まれへんくてもいいから社長誘って社長に付き合え。

そうすれば社長の考え方も分かるし、何をして来たかも何を望んでるんかも分かるようになるから」



そう言い続けてきた。

それをしなかったのは誰でもなく、Aで



今私の向かいに座って社長の隣で生ビールを飲む森野さんは

他の誰に言われるでもなく、それをした。



今のこの現状はその結果の差以外の何ものでもない。



私はいつまでも「誰か」のせいにし続けるAに森野さんが来てから少なからず愛想が尽き始めてもいたし

また、森野さんと話をする事が楽しかった。



社長と森野さんとの話は楽しくて

私は疑問に思ってしまう。





この会話が当たり前なのに

出来るようになる為に何をして

その結果を肴に飲むお酒が美味しいのに



私はいつまでも一体Aの何処に、何を期待していたのだろう‥?

と。