私はそんなに強くない。



私が今まで優花として、好きに仕事が出来ていたのは限り無く「専務が居たから」の他にはない。



私の話を聞いて、理解してくれるのは専務だけだった。



私が怒る理由を、そもそもを理解してくれるのは専務だけだった。



私は万人に受け入れてもらえなくてもいい。



たった一人が私の事を分かってくれるなら、私は何人敵に回したって構わない。



そのたった一人が専務だった。



私が誰と喧嘩しても、専務は私が怒った理由を相手に話してくれる。



怒る私とは反対に「あの子が怒るのはここやねん」と伝えてくれる。



噛み合わない相手との話を嚙み合わせてくれる。



だから私、優花はどんなに喧嘩しても吠えても、一人にならずにやって来れた。



全ては専務が居てくれたから。



専務が居なければ私は潰れていただろう。



私は決して強くはない。



ただ、周りに恵まれているだけだ。



「専務まで居なくなったら私は確実、潰れるなww」



20日、私はそう思った。



だけど専務はいなくなる事はない。



これまでも、これからも専務はずっと居て

ずっとずっと私達を支えながら見守り続けてくれるものだと。



社長が父親ならば専務は母親。



厳しい父に反して父の言葉にワンクッション置いて子供達に伝える。



私は普通の家庭じゃなく、当たり前の家族は分からないから



「お父さんとお母さん、家庭ってこんな感じなんだなー(*´д`*)」



そう思っていた。



勤める年数を重ねれば重ねる程。

専務が居るのが当たり前になればなる程に。





だけど私は知らなかったんだ。



専務が本当に疲れていた事に。



それは肉体的にとかじゃなく、精神的に疲れていた事に‥。