私「..専務と社長に何があったの?」
何も無くして専務が辞めると言い出すなんて有り得ない。
確かに今は忙しい。
多分今までの会社の歴史史上で1番忙しいんじゃないかとすらも思う位に。
少なくとも私はこの会社に来てから、今ほどの忙しさを経験した事はない。
注文が多い事は勿論、この時はもう事務所にベテランはいなかった。
仕事が出来る人間がいない。
事務所が回らなければ他が全て回らない。
仕事量の多さに加えて仕事の効率の悪さ
そして誰にも、どこにも頼れない。
誰に聞いても分からない。
誰に聞いても知らない。
事務所の負担は全て森野さんと..
その森野さんの分までも、専務が全て受けていた。
事務所内の事だけじゃない。
パートの人達の愚痴や不満も、私の話も聞いてくれていたのは専務1人だ。
だけど「今」がずっと続く訳じゃない。
今の忙しさを乗り越えた先には必ず個々の力が底上げされる。
絶対に今よりも強くなる。
それを誰よりも知ってるのはずっと乗り越えてきた専務じゃないのか..?
何の根拠も無く言ってる訳じゃない。
人手不足を解消する為に、私は毎晩ポスティングして回ってる。
1日最低100件。
それでも少しづつでも結果は出てる。
もう少し頑張れば、もう少し踏ん張ればきっと乗り越えられる。
なのに、何で今「辞める」なんて言い出すの?(´・ω・`)
専務は
「もう社長が本間に無理やねん..
辞めんでいいなら私も辞めへんよ。
それでも我慢出来ひん位に、社長に着いて行かれへんねん」
そう言った。
何があったかは知らない。
専務が社長に何を言われたのかは知らない。
きっとここまで追い詰められる何かがあった事だけしか、私には分からない。
でも私は「はい、そうですか」と言える程大人じゃないし我慢強くもない。
私「まだ仕事がしたいならすればいいやん。
みんなで頑張ったらいいやんか!
私頑張るやん!!」
「みんな頑張ってるやん
優花ちゃんも頑張ってるやん
ちゃんと私は知ってるもん」
私「もっと頑張るやん。
社長に何言われたか知らんけど、社長黙らせる位まで頑張るやん!!」
専務は泣いた。
私「泣く位やったら辞めへんかったらいいやんか!!
私は1人じゃ仕事は出来ん。
私の話を聞いて分かってくれんの、理解してくれんの専務しかいてへんやんか!!」
私が今、ここまで辞めずに来れたのは専務がいたからだ。
うん。
でなきゃとっくに辞めてるよww
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
日本語が通じねぇんだもん、A。
やれば出来る事をやろうともしないで無理だと言うような奴と一緒に仕事なんてやってられねぇよ。
だけど専務がいたから
私の言ってる意味を理解してくれたから
だから私はここまで来れた。
私「専務がみんなと一緒に仕事がしたいって思う以上に、私は専務と一緒に仕事がしたいの!!」
最早自分が何を口走っているのかすらも分からない。
追い詰められてる今、専務が私の気持ちを受け入れる事が出来るだけの余裕がない事
そんな事、少し考えれば分かるのに..。
専務は泣いて、私はどうしていいか分からない中
「優花さん、落ち着きな」
そう言って森野さんが口を開いた。
「専務、少し抜けるね。
優花さん、おいで」
そう言って森野さんは私を事務所から連れ出した。