専務が辞めるとなった時
森野さんは悲しそうな顔をしたものの、それ以外の時は至っていつもの森野さんだった。
だけどこの時よりもずっと前に
私は森野さんが潰れかける時を見た。
森野さんは全く愚痴を言わない。
「出来ない」とも言わない。
いつだって「行けるでしょ♪」と、どんなに大変でも余裕そうな顔をして仕事をこなしてくれていた。
普段、予定を立てるのは私。
私の予定の立て方は基本的にはよっぽどの事がない場合は森野さんには頼らないもので
私「あっそ。
私にそんな事言う?(ºдº*)
予定立てるのは誰だか知ってるのかな??」
「あ、嘘だよ?
全く思ってもないからね!!(๑•̀ㅂ•́)و✧」
私「うっぜぇ!!ww」
普段からそんなやり取りが出来る位、私は森野さんには事務の仕事に集中出来る環境を出来る限り整えていた。
私は専務から当時、森野さんがどれだけの仕事量を抱えていて事務所内がどれだけ森野さんに甘えている状態なのかを聞いていたから。
日中は外に出ている私に、社内にいる森野さんの事は分からない。
私が森野さんの置かれている状況を知ったのはLINEを交換する、ほんの数日前だ。
森野さんは日中にお昼ご飯は食べれない。
休憩を取れたとしても以前に 森野さん争奪戦で話したように、まともに休憩を取る事も出来ない。
そして休憩に入った時に得意先からの問い合わせは、全て休憩終わりの森野さんの元へまとめて回ってくる。
「..今、みんなが本間に森野さんに甘え切ってるんやわ(ノД`)」
私「それ分かってて、専務は何も言わへんの?」
「言える範囲内は言うけどみんな新人やから実際分からん事しかないねん。
今の状態で1人でも辞められたら結局あの子の負担が更に増えるだけになるからキツくも言われへんのやわ」
….状況が悪過ぎる。
私「了解。
出来る限りAなりメガネ君なり社内に少しでも多く残せるように頑張るよ(・ω・`)」
森野さんはいつでも森野さんで、そんな事になってるなんて知らなかったな..。
私「それ、森野さんもしんどいやろうに(´・ω・)
何も言わんから全然知らんかったや」
聞いたところで事務所内の事は私には関与出来ない。
私達もまぁまぁギリギリだけど、仕方が無い。
私達は先輩なんだから。
「いや、優花ちゃん達もギリギリなんは分かるからいいんやけど
でも出来るだけ森野さんは出さんといてあげて欲しいねん」
……….。
うん?
もうずっと出してないけど?(・ω・`)
私「???
森野さん、最近どっか行ったっけ?
私は森野さんがどこにも行かんでいい事を中心で予定立ててるよ?」
「え?優花ちゃんの指示じゃないん!?」
うん、専務。
それは一体何の話かな??